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2013年 日有研全国大会レポート

日本有機農業研究会全国大会 2013年3月開催

皆様の協賛金(年会費)より補助を頂き、今年も3名の生産者が参加してきました。
今後の有機農業の発展のため、また個人が生産していく上、素晴らしい出会いと経験をして参りました。
感謝と共に、ご報告致します。
 
◇報告者:星さやか(新城☆星農園)
3月に静岡県で行われた全国大会に参加させていただきました。大変遅くなりましたが以下簡単ながら報告させていただきます。
 
新城に就農してからというもの、出産・子育てとバタバタと慌しい日常を過ごし、一人で外泊するのは考えてみれば初めてのことで、少し緊張しての参加でした。当日は「新城旬のひろば」のSさん、Kさん、福津農園の研修生の方たちと乗り合わせで会場に向かいました。会場に着くと、就農地を探す時にお世話になった方々や、豊橋朝市でお見かけする方、プラムフィールドの方など、知った方も多く、少し緊張がとれました。
 
○現地見学(木の花ファミリー)
前から気になっていた「木の花ファミリー」の農場を見学させていただきました。
ハチミツを採取したり、ヤギを飼ったりと自分たちでできることは「自給」していこう、という姿勢が感じ取れた。自分もそういう暮らしがしたかったんだ、と改めて感じた。
「緑肥(えん麦)」の多用や自家製ボカシを作っている様子。星農園でも、まだ「施肥」の面で、確立されていないところもあり、とても刺激になった。緑肥を畝の間に蒔いて、それを刈り倒しながらその間に作物を作っていた。そのやり方は少し手間がかかりすぎる感じもしたが、空いている畑に緑肥を蒔いて地力をつけたり、土壌の物理性を豊かにすることに有効な気がした。鶏を飼ったり、「木の花菌」というものを混ぜてボカシを作ったり、倉庫にはいろいろな資材が積んであったり、「よいと思うものはいろいろ試してみよう」という姿勢が感じ取れた。
その他、コンポストトイレや30世帯が共同でどのように暮らしているのか興味が湧いた。また家族で来てみたい。
 
○基調講演(若杉友子さん)
自分の目指す「食事」の方向性を再認識できた。「一汁一菜」でいいんだ、ということが胸に落ちた。食を改める=「食い改める」必要性を感じた。親の食生活を子どもは受け継いでしまう。子どもによい食生活を受け渡したい。知っているだけではダメで、行動に移していこう、と思った。
 
○分科会(給食)
「米飯給食」や「地産地消」のことに興味があったので給食の分科会に参加。しかし給食の中身(献立)のことはあまり触れず。自分の関心とはマッチしなかった。
富士宮市では10年以上前から「給食を考える会」を立ち上げて行政と話し合いを継続しているという話を聞いた。給食を変えていくのはなかなか難しいが、仲間を作って継続して話し合いをしていく大切さを感じた。
 
○種苗交換会
「自家採種」の大切さを年々感じているが、果菜類以外はなかなか種が採れていないので、日有研の林さんなど、広くやっていてもたくさん種を採っている方もいて、見習いたいと思った。豊橋有機の会でも、生産者が増えてきているので、種の交換会や種採りの仕方の講習会的なものをやりたい。
貴重な種を分けていただいた。大切に育てます。
 
○全体を通して
いろいろ刺激を受けた2日間だった。自分は有機の会の生産者であるが、きちんとした研修所で学んだわけではなく、それがどこか自分の中でコンプレックスに感じている部分があった。しかし今回全国大会に参加してみて、「学ぶ」ということはいつからでも遅くないということ、「学ぶ」ということはとても刺激的で楽しいことだということを改めて感じることができました。これから長く農作業を続けていく中で、後から入ってくる人にしっかりと説明ができるくらい「農」・「食」ということを学んでいきたいと思います。
将来的に新城・豊橋近辺で、お母さん世代が参加しやすい形で、「農と食」をテーマにした会を開き、皆で情報交換できたらと思います。
 
今回全国大会に参加でき、有意義な体験ができました。参加の機会をくださった豊橋有機農業の会員の皆さまに感謝いたします。ありがとうございました。また、子守りを引き受け快く(?)送り出してくれた主人に感謝します。
 
◇報告者:鈴木克也(鈴木製茶)
3月2日、3日に全国有機農業者と消費者のつどい2013IN静岡に参加をしてきました。
 
3月2日は現地見学会や映画上映会があり、自分は映画上映に参加をしました。
 
映画は【食の未来】を見ました。内容は、アメリカの遺伝子組み換え食品の拡大汚染についてでした。バイテク企業モンサント社のラウンドアップは、あらゆる害虫や雑草を死滅させてしまう強力な農薬です。またモンサントが遺伝子組み換えで作った農産物の種子は、枯れずに育ちますが、農産物自体が農薬の様なもので、その農産物を食べた虫は死んでしまいます。そんな農産物を人が食べると思うと、とても怖いです。
 
日本でも豆腐、大豆などは、遺伝子組み換えでないものを使っているとの表示を目にしますが、その他の食品、例えばコーンスターチ、小麦粉、コーンフレーク、レトルト食品など、販売されている農産物にモンサントの除草剤や種などを使っているかもしれません。
自分が知らないうちに危険か食べ物を食べてしまっているかもしれないのです。
 
食という字は、人という字に良いと書いて【食】と読むと教えてもらった事があります。
本当に安心で安全なものを、自分や家族の為に見極めなければならないな。と考えさせられた映画でした。
 
3月3日は、分科会に参加をしました。
[有機農業がお茶を救う、日本茶の新しい世界]に参加をしました。
内容は、少し重たい内容でした。というのも現在、茶業をとりまく情勢は厳しいものです。
市場価格の低迷、需要と供給のバランスの崩れ、後継者不足などです。
 
分科会を通して自分が思うことは、茶農家は、茶を栽培して製造し問屋、市場などに出荷するのが主流ですが、これからは農家自身が自分で作ったお茶を直接消費者の方に販売をしていく事が大事になってくると思います。現状は、市場価格の低迷により良いお茶を作っても反映されにくくなってしまっています。お茶仲間の間で毎年交わされる会話は、「今年は去年より市場価格が安いなあ。」「問屋さんに安く買い叩かれて。」「もう年で農作業がしんどい。」毎年聞こえてくるのは、マイナスな事ばかりです。
 
現状は厳しいのは、事実ですが、毎年同じことばかり言っていても、お茶屋としても成長出来ずに衰退していくと思います。自分自身が販売に行くことで、消費者の方がどんな物を求めているのか分かってくると思うし、販売を通して新しい出会いから次につながっていくと思います。
 
自分は就農して3年目になりますが、ここまで先代が築き上げてきたものを守り、発展していけるように努力しよう!と思えた分科会でした。
 
2日間で、たくさんの農家の方や消費者の方と知り合うことが出来て、とても良い経験になりました。機会があれば、また行かせてもらいと思います。
 
◇報告者:時任絵里(福津農園)
今回の大会でも 全国から集まった様々な立場の方々から 話を聞くことが出来た。
特に印象に残った第3分科会「手をつなごうオーガニック」の報告をします。
 
1、分科会の紹介・趣旨説明
〜生活協同組合パルシステム静岡 副理事長 上田由紀(コーディネーター)〜
高度経済成長の流れの中で いつしか食の生産と消費が切り離され、命の循環も断たれた。もう一度命のつながりをとり戻し、持続可能な社会を作るために離れてしまった「つくる」と「食べる」を繋ぐこと、それぞれの背景を互いに理解し合うことが必要なのではないか。この分科会では 実際に生産者と消費者を繋いでいる方々の取り組みを紹介する。
 
2、「オーガニックマーケットが人をつなぐ、人を育てる」
〜オーガニックファーマーズ朝市村村長 吉野隆子さん〜
名古屋の中心街、栄のオアシス21で毎週土曜日に朝市を開催。最初の半年は来客数が少なかったが、マスコミの報道や口コミ、マンションでのちらしのポスティングによって1年後に売り上げが安定。
果樹・お茶以外は新規就農した有機農家、地産地消(木曽川流域圏−愛知、岐阜、三重、長野)、旬産旬消、本人が栽培したもの及びその加工品のみの販売 等といった参加条件がある。補助金は申請せず 出店料のみで賄い ボランティアによる運営をしている。販売場所としてだけでなく、新規就農者の育成、生産者同士や生産者・消費者間の交流 等の役割も果たす。
 
3、「有機農業者の提携の取り組み」 栃木県野木町
〜有機農家 舘野廣幸さん〜
20年前に提携を始め、現在7haの有機水田で150人の消費者と提携、消費者と共に歩む提携によって 安定した生活と農業が続けられると感じている。
市場原理に基づく「売買」では利益を得ることが目的で 消費者は繋がりを切って終了させるためにお金を払う。「提携」では 命を繋ぐことが目的で「共に助け合って生きましょう」という会費のような 繋がりを維持するためのお金となる。農業は本来 人と農産物の繋がり、人と人が農産物の命を通して生きるという「人と人の繋がり」だった。それを捨てて 無機的な商品の生産と利益の追求をしてきたことが農業を歪めてしまった。
 
4、「地域の循環と農産物の役割」REFS(Real Food Story!)
〜代表 小松浩二さん〜
「食べる人の笑顔×つくる人の笑顔×自然を楽しむ心 を確かにつなげる」という理念を持ち、静岡県沼津市の商店街に6坪の小さな八百屋REFSを経営。農産物の販売だけでなく 畑の様子を消費者へ 食べた人の声を畑へ といった 生産者、消費者双方向への情報提供をする。客がわくわくする様な店作りを目指す。狭い店からあふれ出た客が商店街に出て そこで会話が生まれる といった状況もあり、店が狭いことが商店街の賑わいにも繋がっているようだ。
他に 食や地域活性化に関連する様々なイベント(例:スープを作って食べるまでの作業を 森→畑→川→海→レストラン と場所を変えて行う5回シリーズのイベント「一杯のスープをつくる時間」)や 多業種(水産業者、加工品メーカー、福祉施設)との連携といった活動をしている。
一見 新しいことをやっているように思われがちだが、実は先人の知恵を今なりに発信しているだけで、いろんな切り口で広めていきたい。また、地域のイベントに有機農産物が不可欠な存在になるようにしたいが、初めから有機農産物と謳うのではなく 気付いたら有機のものだった(「この野菜 おいしいからよく買っているけど…… あら、有機農産物だったのね。」というような感じ)という状況を目指す。
 
5、「中山間地域における有機農業の新しいビジネスモデル構築」
〜鷏ビオファームまつき代表取締役 松木一浩さん〜
ビオファームまつきのテーマは 中山間地における有機農業の新しいビジネスモデルを作って有機農業者を増やし、地域活性化に繋げることであり、実際に オーガニックに関心のない人も巻き込みたいとの考えがあるだけあって 消費者のニーズをつかみ それに応えるための仕掛けを様々な角度から行っている。
具体的には ①中山間地域での生産の基盤となる野菜生産 ②ブランドを牽引する役割を果たす畑の中のレストラン ③中山間地域(畑)と都市部を結びビオファームの取り組みをより多くの顧客に波及する役割を果たす市街地のレストラン ④レストランとは違った角度から顧客のニーズに応えるとともに顧客への啓蒙の場としての役割を果たす 野菜や加工品または惣菜を販売するショップ など。
【私(時任)は「農業をビジネスとして捉えるべき」との言葉から 有機農業と言えども強い経営体であるべきというような話かと思ったが、日本の農業問題解決のためには 重要なポジションにある中山間地域の問題解決が必要で、六次産業化が解決策となり得る といった 日本農業全体を捉えた話だった。
「全ての職業はサービス業で、喜ばせる相手がいる」。有機農業を始める前に 国内外のホテル、レストランで接客とレストランマネジメントを経験して得たと思われるこの考えを 常に頭において活動しているのだろうと思った。】
 
6、まとめ 〜上田由紀(コーディネーター)〜
情報や宣伝だけが先走ってはだめだが、生産者の声、考え、情報をいかに消費者に伝えるか、また 流通をまちづくりや地域づくりにつなげることも大切。
 
7、この分科会に参加しての感想
生産者は農産物を消費者に渡し 消費者は生産者にお金を渡す、たったそれだけのことだが、考え方ひとつで色々な形があるものだと思った。また、情報や想い等々 農産物以外のもののやり取りや、農家と消費者だけでなくどのような立場の人が関わるかによって お金の経済以外のところにも様々な効果を期待できると思った。

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